運営:司法書士越智法務事務所〈茨城県つくば市〉
相続とは、亡くなった方の財産を引き継ぐ大切な手続きです。しかし、法律や専門用語が多く、初めて経験する方にとっては戸惑うことも多いのが現実です。
ここでは、相続手続きの全体像と、司法書士の立場から見た「知っておきたいポイント」を分かりやすくご紹介します。
1. 相続手続きの基礎知識
相続とは、亡くなった方(被相続人)の財産を、遺された家族(相続人)が引き継ぐ制度です。主に相続人は、法律で決められた「法定相続人」や、遺言書によって指定された人(受遺者)です。相続開始後、3か月以内に「相続する」か「放棄する」かを決める必要があります。
さらに、財産の内容によっては相続税の申告や納税も必要になる場合があります。
遺言書がある場合は、原則としてその内容に基づいて手続きが進みます。司法書士は、遺産分割協議書の作成や名義変更など、法的な側面から手続きを支援します。
2. どのような手続きが必要なのか?
相続手続きでは、以下のような実務的な対応が求められます。
・相続登記(不動産の名義変更)
・預貯金・証券口座の名義変更や解約
・遺産分割協議書の作成
・遺言書の検認や執行
これらは、正確な書類作成や法的知識が不可欠です。司法書士は、これらの複雑な手続きを代行し、相続人の代理人としてスムーズな手続進行を支援します。
また、法律的なトラブルが生じた場合も、相談窓口として対応します。
3. 相続人の調査方法と注意点
まず必要なのは、正確な相続人の特定です。具体的には、以下のような書類を確認・取得します。
・被相続人の除籍・改製原戸籍・住民票除票
・相続人の戸籍謄本
・遺言書(作成されている場合)
調査では、親族関係の確認が重要です。例えば、相続人の1人がすでに亡くなっていた場合、その子供(代襲相続人)が新たな相続人になります。このようなケースでは慎重な戸籍調査が欠かせません。
養子縁組や離婚歴など、家族関係の変化も相続関係に大きく影響しますので、司法書士が入って丁寧に調査を行うことが推奨されます。
4. 相続税の申告と納税について
相続税がかかる場合、相続開始後10か月以内に申告・納税を行わなければなりません。申告書には、相続財産の評価額や各相続人の分配額などが記載されます。
納税方法には以下の2種類があります。
・一括納付:原則、申告期限内に全額納税
・延納(分割払い):条件により5年~20年まで分割が可能
なお、相続税の申告・納税は税理士の業務領域となるため、司法書士と税理士が連携して対応する必要があります。
5. 司法書士に相続手続きを依頼するメリット
相続手続きには専門的な書類作成や複雑な調査が必要です。不備があると手続きが滞り、結果として時間や費用のロスにつながることもあります。
司法書士に依頼することで、次のようなメリットがあります。
・手続きの全体をワンストップでサポート
・正確で迅速な書類作成
・相続登記や金融機関への対応を代行
・遺産分割協議の円滑な実施
・プライバシー管理の徹底
信頼できる司法書士を選ぶことで、精神的な負担も大きく軽減されます。依頼の際は、実績や専門分野、口コミなどを確認して、相性の良い司法書士を選ぶことが大切です。
2025年6月
記事作成
司法書士越智研介