親が亡くなった後に
やってはいけない5つのこと

親が亡くなった後にやってはいけない5つのこと(預金・遺品・遺言書)

「親が亡くなって、何から手をつければいいのかわからない」「とりあえず葬儀代を親の口座から払ってもいいの?」――大切な家族を亡くした直後は、気持ちの整理 がつかないまま、さまざまな手続きや支払いに追われま す。

その中で、良かれと思ってしたことが、あとで「相続放棄ができなくなる」「ほかの相続人ともめる」といったトラブルの原因になることがあります。

この記事では、親が亡くなった後にやってはいけない5つのことと、迷ったときにまずすべきことを、つくば市の司法書士がわかりやすく解説します。

 1.親の預金を自分のお金のように使う 

親の口座にお金が残っていても、そのお金は相続人全員のものです。子どもであっても、自由に使ってよいわけではありません。

特に注意したいのが相続放棄との関係です。相続財産を処分すると、相続することを認めた(単純承認した)ものとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります(民法第921条)。

▌葬儀費用の支払いは?

親の預金から葬儀費用を支払ったことだけで、直ちに相続放棄ができなくなるわけではありません。ただし、金額が社会的に相当な範囲かどうかなどで判断が分かれることもあります。

親の口座からお金を出したときは、出金日・金額・支払先・目的を記録し、領収書を必ず保管しておきましょう。

 2.遺品や重要書類を確認しないまま捨てる・売る 

遺品整理を早く済ませたい気持ちはわかりますが、通帳、郵便物、契約書、請求書、保険証券などは、財産や借金を調べるための大切な手がかりです。処分する前に、必ず中身を確認しましょう。

スマートフォンやパソコンにも、ネット銀行や証券口座の情報が残っていることがあります。初期化や解約は、相続手続きに必要な情報を確認してからにしましょう。

▌価値のある品物は特に慎重に

貴金属、骨とう品、美術品、車など、経済的な価値のある品物を売ったり、形見分けで配ったりすると、相続財産の処分にあたる可能性があります。品名・保管場所・写真をまとめた一覧を作っておくと安心です。

 3.封のある遺言書を自分で開ける・隠す 

自宅で封がされた遺言書を見つけても、その場で開けてはいけません。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもと開封することになっています(民法第1004条第3項)。

つくば市にお住まいだった方の場合、遺言書の検認の申立て先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する水戸家庭裁判所土浦支部です。

▌検認が不要な遺言書もある

公正証書遺言や、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言書は、検認の手続きは不要です。

なお、うっかり開封してしまっても、遺言書が直ちに無効になるわけではありません。ただし、5万円以下の過料の対象となることがあります(民法第1005条)。また、遺言書を隠したり捨てたりすると、相続人の資格を失うこともあるため、絶対にやめましょう。

 4.内容がわからない書類に署名・実印を押す 

ほかの相続人から「ここに判を押しておいて」と遺産分割協議書を渡されることがあります。内容を理解しないまま署名し実印を押すと、あとから「知らなかった」と主張するのは難しくなります。

▌「何ももらわない」は相続放棄ではない

遺産分割協議書で「財産を何も受け取らない」と決めても、家庭裁判所で手続きをする相続放棄とは別のものです。亡くなった方に借金があった場合、お金を貸した側(債権者)からの請求を免れることはできません。

家族の間で「借金は長男が払う」と決めても、債権者に対しては、各相続人が法定相続分に応じて支払う義務を負うのが原則です。

 5.借金の確認と相続放棄の判断を後回しにする 

相続放棄は、原則として「自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に、家庭裁判所へ申述しなければなりません(民法第915条・第938条)。ほかの相続人に「放棄する」と伝えただけでは、相続放棄をしたことにはなりません。

葬儀や四十九日の法要などに追われているうちに、3か月はあっという間に過ぎてしまいます。

▌調査が間に合わないときは

財産や借金の調査が期限までに終わらない場合は、期限が来る前に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。調査中というだけで自動的に期限が延びるわけではないので注意しましょう。

 迷ったときは「保全・記録・相談」 

親が亡くなった後に判断に迷ったら、まずは次の3つを心がけましょう。

・保全:通帳や書類、遺品をすぐに処分せず、そのまま保管する

・記録:親の口座から出したお金や、見つかった財産・借金を記録する

・相談:判断がつかないことは、早めに専門家に相談する

ご相談の際は、亡くなった日、相続人の関係、わかっている財産と借金、すでに支払ったものや処分したものをメモしておくと、スムーズにお話を進められます。

 まとめ 

親が亡くなった後は、預金を使う、遺品を処分する、遺言書を開ける、書類に判を押す、といった行動の前に、一度立ち止まることが大切です。特に借金があるかもしれない場合は、相続放棄の3か月の期限に注意しましょう。

司法書士越智法務事務所では、つくば市を中心に茨城県内の相続登記、相続放棄、遺言書の検認などのご相談を承っております。「これをしても大丈夫?」と迷ったときは、手続きを進める前にお気軽にご相談ください。

2026年11月8日

執筆:司法書士越智研介

 

相続でお困りの方は
お気軽にご相談ください。

0120-668-599

メールでも24時間ご相談予約受付中です